それでその社会がダメになっても当然。うまく社会が形成できていっても当然。リアル以上に,リアルに結果は付いてくる。
プレイステーション2のオンラインゲーム・サービスがスタートして数週間経ったが,ゲームの欠陥を利用して対戦相手に嫌がらせをするチーズ・プレイヤーにユーザーは頭を悩ませている。プレイステーション2をインターネットに接続して最初に出るのは,「対戦相手を尊重しよう」というメッセージだ。だがオンラインゲームは,フラストレーションがあっても機械相手では得られない面白さという恩恵の方が大きいと,ユーザーは認識している。
私はドリームキャストで数種類のオンラインゲームをやったことがあるだけで経験は少ないので多くは語れないけど,そこにはオフラインのゲームとは比べることもできないほどの「意味」がある気持ちはわかる。リアルに顔を合わせるよりも思いや痛みが伝わるネットワークは,ゲームの上でも同じ(過去記事)。それは利点にもなるし,生死に関わる不利点にもなり得る。
ゲームキューブ版PSOは痛い問題に当面してしまっている(セガとソニックチームのおしらせ)。通常のゲームではなにか大きな裏技があるのがわかってもそれを行う,行わないは個人の自由であり,行わなければなにも変わらない。でも,ネットワークゲームでは,周りのすべてが一変してしまう可能性がある。そして,そういう行動を取る人間を止める手立ても少ない。最終的に,ユーザーの良心に頼るというソニックチームの決定は無謀ではあるのだけど,それを活かしたいというユーザーの気持ちを引き出せるかもしれない。また,それを期待したい。ソフトの欠陥と呼んでもおかしくないだけに,事態は深刻だけど,せっかくのオンラインで,誰も信用できない,まず疑うことからはじめなければいけないなんて,切ない。
|